整理が苦手なあなたはまずは整理の効果を知るべし
佐藤可士和のベストセラー本「佐藤可士和の超整理術」を読みました。そして整理がいかに大切かってことを改めてガツンと思い知らされました。そこで今回は、私と同じように整理が苦手な皆さまのために「佐藤可士和の超整理術」を分かりやすくまとめてみます。整理ができる人間になるには、まず「整理の効果」を知ることからです!
整理力とは解決力である
整理とはいわるゆ身の回りのものを片付ける整理の他に「情報」や「思考」といった目に見えないものもその対象となります。そしてこれらのものをきちんと整理することができるようになれば、あらゆる問題を解決する力が身につくということを知りましょう。整理力とは解決力なのです。
本書にでてくる整理は大きく分けて以下の3つ。
①空間の整理
②情報の整理
③思考の整理
それではこれらを順番に見ていってみましょう。
①空間の整理
空間の整理とは、目に見える身の回りのものの整理のこと。なにわともあれまずは身の回りのモノを整理しましょう。身の回りが片付いていれば頭の中も常にクリアですっきりとした状態でいられます。すると頭の中に余裕ができいろんな事が捗り始めます。佐藤可士和さんのクリエイティブワークにかぎらず、私たちの仕事や生活の中でも基本中の基本といってもよいのではないでしょうか。
整理というと、面倒くさいとか苦手だとか感じる人は多いでしょう。でも、整理をおろそかにしたままの場合と、常にクリアですっきりした状態になっている場合とでは、仕事の能率も精度も格段に違う。これは明言できます。僕は根っからの整理好きなのですが、それに磨きをかけていくことで、コミュニケーションデザインという仕事の本質を掴むのにどれだけ役立ったかわかりません。
②情報の整理
①は目に見える「モノ」の整理についてでしたが、次は目には見えない「情報」の整理について。
情報の整理っていったい何でしょう?
最新のニュースを集めること? SNSで誰が何をしたかを知ること?
違います。
ここでいう情報の整理とは、解決すべき問題に対し、様々な情報を集め整理し、その問題の本質をつかむ事に他なりません。
人は何か問題を解決しようとする時、自然といくつもの情報をつなぎ合わせて解決策を考えます。意識はしてませんが自然と頭の中で情報の整理を行っているのです。ただ、その問題が単純な事であればいいのですが、複雑になればなるほどきっちりとした情報の整理が必要になります。やみくもに目の前にある情報をつなぎ合わせただけでは問題の本質は見えてきません。
では複雑な問題の本質をつかむためにどう情報を整理すれはばよのでしょうか?
その答えのカギとなるのは「視点」です。視点を見つけ、その視点を軸にして情報を整理するのです。ぼんやり眺めているのではなく、自分がこれだと思う視点を導入して、それを軸に情報を取捨選択し組み立てることができれば、問題の本質がつかみやすくなるのです。
「視点」なくして問題の本質はつかめません。
そのために不可欠なのが、自分なりの視点を導入することです。バラバラの情報を、ある視点に沿ってつなげていくことで、状況の根源となっている問題の本質が表面に現れてくるのです。この〝視点導入〟が、整理のプロセスのいちばんの難関といっていいでしょう。
「視点導入」と言われても正直ピンときませんでしたが、本文中にこう分かりやすく説明されていて納得しました。
視点を持ち込むという感覚は、インターネットの検索エンジンを思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。莫大な量のデータベースから、欲しい情報を取り出すためには、キーワードを入力する必要がある。このキーワードが、ひとつの視点なのです。
キーワードのちょっとした違いで、検索結果が大きく変わってしまうという経験は、誰にでもあるのではないでしょうか?
③思考の整理
思考の整理は②の情報の整理を発展させたものです。相手に何かを伝えたり、相手から何かを引き出したりする際にはこの思考の整理が大切になってきます。
その際に、いちばん大事なことは、〝言語化していくこと〟です。もやもやとしていた思いを言葉にすることができれば、筋道をたてて人に伝えることができますから。言語化することで、思考は情報になるのです。
人とコミュニケーションをする時は、相手が何をしたいのか、何が言いたいのかを常に気にかける必要があります。そして答えが相手の中にある場合、相手の頭の中で絡まっている思考の糸を1本1本ほどいてやる必要があります。
ではどうすればよいのか? それは相手の頭の中にある思考を言語化し、その情報一つ一つを自分の「視点」を軸に整理し、出来上がった仮説を相手にぶつけてみる事です。紙に書いたり声に出したりして言語化しましょう。そして間違っていてもいいので、それを相手に投げかけてみましょう。
もちろん導き出した答えが違うって事もあるでしょう。その時はもう一度違う視点を導入してみて情報を整理しなおせば良いのです。
・視点を引いて客観視してみる ・自分の思い込みをまず捨てる ・視点を転換し、多面的に見てみる これらは、〝情報〟の整理におけるポイントです。〝思考〟の整理では、 ・自分や相手の考えを言語化してみる ・仮説を立てて、恐れず相手にぶつけてみる ・他人事を自分事にして考える
最後に
本書では佐藤さんのクリエイティブワークに沿った形で整理術が紹介されていますが、これらの整理術は、仕事にかぎらず、私たちが生活をする中でとても役立つテクニックだと断言できます。極端にいうと、この3つの整理テクニックが身につけば、分野を問わずだいたいの問題がクリアできるはずです。